ピンクの霧

ファッション関連のニュース、本の紹介、起業のあれこれ。タイトルに意味はありません。

手作りマーケットに思う

先日、手作りマーケットみたいな物が開催されていて見学してきた。

 

色々思う所はあるものの、そこで気づいたこと。

 

・独自の世界観があること。

・プレゼント需要に応えられていること。

・割高感のない価格設定であること。

 

・独自の世界観があること。

比較的参入障壁の低い、出店料不要のマーケットだけあって

机1個分のスペースだけで100店舗くらいが並んでいた。

アクセサリー、アクセサリー、アクセサリー。

貴和製作所で買ってきたようなパーツを適当に組み合わせたような商品は

勿論売れるわけがないし印象にも残らない。

でもこういうタイプのショップがほとんどである。

最初の方は見るにしても、だんだん疲れて通り過ぎるだけ。

商品に個性がなくても、ブースが雑然としていなくて

コンセプト1つがはっきりわかるようなブースは売れているようだった。

 

・プレゼント需要に応えられていること。

マーケットに立ち寄る人は、何かちょっとしたものを買いたいと思ってだろう。

その場合、自分の物を買うとは限らない。

自分が欲しい物が見つからなかった場合は、

親しい人へ、ちょっとした何かをプレゼントという需要が出るはずだ。

そうなった場合、ラッピングをしてある商品という需要があるな

ということを感じた。

実際私も、ビニールの中に入ったヘアゴムを2つ買った。

一番人気がありそうなブースも、シンプルで未来的なラッピングが

されているアクセサリーだった。

 

・割高感のない価格設定であること。

商品として一番気になったのが、ヴィンテージのキッチンタオルを使った

手提げバッグである。配色や配置も含め、センスの良さはかなり感じられた。

が、芯地もろくに貼っていないようなバッグに3,000円はちょっと高い。

これが2,500円だったらついつい買ってしまっていたかもしれない。

 

他にも、出先でおもちゃを持ち運ぶ、円の形のおもちゃ巾着というのがあった。

子連れでレストランなどに行ったとき、ちょっとおとなしくしてほしいときに

その巾着を広げておもちゃで遊ばせるというのは良いアイディアである。

しかし、選べるおもちゃ付きだったのだ。

良いアイディアなのに、店主はわかっていない。

ただでさえおもちゃで散らかった家に、細かいパーツの互換性のないおもちゃ

というのは親が一番要らないと思っているものである。

そのおもちゃが無くて1,000円を切っていたら・・・

もしかしたら買っていたかもしれない。

 

【馬喰横山】帽子の会社、株式会社シゲマツのファミリーセール2018S/S

あれからほぼ40日。夏休みと同じだけの時間が経ったものの

あれから何かが変わったかと言えば何も変わっていない。

とりあえず、リサーチ中と言ったところだ。

 

近所のフレンチビストロのランチに久しぶりに行ったけど

思い出補正なのか、だいぶがっかりさせられた。

5Sにおいて少しでも手を抜くことが

ファンをこんなにがっかりさせるということを痛感させられた。

 

ところで、ランチを終えフラフラしていたところ

ファミリーセールのチラシを貰った。

 

ここ馬喰横山付近には問屋が沢山あり、

夏や年末などボーナスシーズンになると、

ファミリーセールを沢山見かける。

 

www.shigematsu-hat.com

帽子の製造、株式会社シゲマツという会社。

帽子好きと言えるほどではないが、夏はほぼ毎日かぶっているので見ておいて損はない。

イメージとオフィスの雰囲気が違ったのでとても迷ってしまった。

たどり着いたのはきれいなオフィスビル

 

戦利品は次の5つ。(写真が素人丸出しですみません)

営業妨害になるので具体的な金額は書かないけれど

5個かって約5000円ちょっと。

セールでそれくらいの帽子を買おうかと思っていたのでラッキーだった。

 

★フリンジが今年っぽい少し広めのプリムのハット

いかにも今年らしい周囲がフリンジになったナチュラルなタイプ。

これに関しては丸クラウンの方が好みだけれど、とても安かったのと

いかにも今年買ったという感じがすると思い購入。

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 ★コロンと可愛いチロリアン風ハット

チロリアンハットっぽい、高いクラウンに、小さめのプリムのコロンとした帽子。

今まで被ったことがないタイプだけど、意外と全身で見てバランスが良かったので購入。

リボンがちょっとなので付け替えを検討中。

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★力の抜けた個性派、南米風ボーダーハット 

アイキャッチなフリンジが可愛い南米風のハット。

白いボーダーが程よく力が抜けていて、クラウンも荒い編みになっているので購入。

ちょっと勇気がいるのでディスプレイ用かなと思ったけど、

被ってみると意外と馴染んでいた。

メルカドバッグと合わせるとTOO MATCHでしょうか?

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 ★端正な佇まい、キャノチエタイプのシンプルハット

キャノチエタイプで、硬めの帽子。他の帽子に比べて被ったときに

キチンとした大人に見えるかも?と思い購入。

持っているカンカン帽はすべて柔らかいタイプなので、

キチンとして見える、というポイントに合わせて迷わず購入。

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 ★デイリーユースにピッタリの黒プリムカンカン帽

散々もっているタイプのカンカン帽だけど、プリムが黒というのが

意外と私のテイストや顔に合っていて、

ヘビロテになりそうなので購入。

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というわけで、今日の18時半までやっているらしいので

馬喰横山の近くに住んでいる方はぜひ。

 

次回もやるなら行くつもりだけど、

狭い仮住まいに帽子を増やすのはちょっと困るなあ。

今後の仕事の仕方について

最初のブログを書いてはや19日。

ぼーっと生きていたというわけでもない。

実は転職を検討している。

 

しかし子育てをする母親デザイナーにとって、転職の選択肢は非常に少ない。

 

超超大手か、家の近くの自由な感じのところか、もしくは同級生のいた会社か。

正直、よくよく検討してみると、どこもそう悪くはない。

しかし、果たしてそこで働くことが幸せなんだろうか?

 

超超大手は、時短にしても通勤やなんやかんやでめまぐるしい日々が想像できる。

せいぜいそんな生活をするのは5年が限界だろう。

社内で偉くなれれば別だけど、私の性格はそういうタイプではないことは理解できた。

 

そして、家の近くの2社は、多分お給料がだいぶ安いと思われる。

そして、せいぜい5年後には年からして首切り要因になるだろう。

住んでいる場所から考えると、派遣で週3働くのと同じくらいの手取りになりそう。

 

夫と二人、いくら考えても、何が正解か分からない。

 

でも、さっきお風呂に入っていて、これなら作っても売れそうというアイディアが降ってきた。

素直に自分が作りたいものを作る(そして世の中にないもの)ということだ。

意外と私の好きな世界観は、同じようなものが好きな人の多い感覚である。

 

はてさて。(あとはそれをどこで作るのか、作れるのか?)

本紹介 ラグジュアリー LUXURY in fashon RECONSIDERED [ファッションの欲望]

私は、普通のデザイナーにしては、まあまあ本を持っている方だと思う。

 

ベスト3に入るほど好きな服の本、東京現代美術館で開催されていた「ラグジュアリー展」のカタログとして発行された本の紹介をしたい。

 

ラグジュアリー LUXURY in fashon RECONSIDERED [ファッションの欲望]

ラグジュアリー LUXURY in fashon RECONSIDERED [ファッションの欲望]

 

 

この展示会は、 17世紀以降現代までのラグジュアリーとファッションにおける関わりを紹介している。私がファッションから受けた衝撃はいくつもあるが、この展示会は、そのうちの強烈な体験の1つである。中からラグジュアリーの意味について考えさせられる3つのドレスを紹介したい。

 

1つめ 贅沢は気の遠くなる残酷さ? インド?の玉虫の羽ドレス

 

昔からイヴニングドレスは数多くの職人の手を介して作成された。中でも、刺繍はその贅沢さを強調する格好の技法だっただろう。

 

www.kci.or.jp

 

このドレスに全体的に縫い付けられているのは何万匹もの玉虫の前羽。

たまにセミの抜け殻を頭につけたり、

https://pbs.twimg.com/media/CL41vYXUwAA8ae2.jpg

ドレスに縫い付けたりする芸能人は見かけるが、これは抜け殻ではない。狂気の沙汰である。この何万枚もの玉虫の羽をむしる時の心の葛藤を想像すると気が遠くなる。しかし、実物はというと、実に可憐である。

 

ゴージャスというよりも、清廉潔白な乙女のようなドレス。その裏に隠れた無惨な仕打ちなど、微塵も感じさせないほどに。逆に、その残酷さが少女のような可憐さを裏付けているのかもしれない。

 

2つめ ラグジュアリーなテクニック マドレーヌ・ヴィオネのデイドレス

www.kci.or.jp

 

そのパターンが幾何学的であるヴィオネにしても、かなりシンプルな部類のこのドレス。この10年前まで、コルセットをしないなんてあり得ない時代だったことを考えると如何に革新的なシルエットだろう。

 

ところが、この服のすごいところは、拡大してもらえば分かる。

 

見頃に施されたのは、波線と直線の組み合わさった手縫いのピンタック。曲線のピンタック???物理的にできるんだろうか?ということが何重にも丁寧に、均等になされている。

 

更に凄いのが、そのピンタックに脇線が組み込まれているのだ。なので脇線が見当たらない。

 

こんなデザインを思いつくのは子供以外にあり得ない。服を知っている人には決して描けない机上の空論である。

 

それまでもマドレーヌ・ヴィオネの服とパターンが揃って載っている本を見て、凄さは十分承知しているつもりだが、この服の前で立ち尽くしたことは今でも鮮明に思い出される。

 

ヴィオネ

ヴィオネ

 

 

VIONNET 副読本

VIONNET 副読本

 

 

勿論このピンタックは、すでにロストテクノロジーだそうだ。

 

3つめ 着る人にとってのラグジュアリー バレンシアガのドレス

 

(写真なし)

 

この服は、ディオールのドレスと並べて展示されていた。

同じようにフィットアンドフレアのスカート部分のボリュームが豊かなドレスである。

www.kci.or.jp

しかしこの2つの大きな違いは、そのボリュームの作り方。

 

ディオールのこのシガールが、固い芯地や、コルセットやパニエに使われるボーンを使ってこのシルエットを作り出していたのに対して、バレンシアガは裁断や生地の張りのみで作り出しているのである。どちらが着る人にとってラグジュアリーであるかは明白だ。

 

服飾史において重要なディオールの隣にこれを並べて展示できることが凄いと、素直に感嘆した。

 

というわけで、服好きを自認する人には、ぜひ手にとって頂きたい一冊である。

馬喰町 生地屋めぐり

私は東東京に住んでいる。

生地屋の多い馬喰町や浅草橋からほど近い場所である。

 

娘2人のために何着か服を作って来たが、一番何を作ってもそれなりに見えるのはリバティのタナーローンである。

 

暇すぎて、ふと生地でも買いに行こうかと「孝富」に行ったら、ちょうど新緑祭をやっていて、リバティーのタナーローンが2,000円/mで買えた。調子に乗って4種類買ってみた。

 

結構豊富な方だったらしく、ベーシックな誰が見てもリバティと分かるような柄が多かった。が、実は私はキワモノリバティの方が好きだったりする。

 

が、今回は商品づくりを目的としているので、誰が見てもリバティという柄にしてみた。

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他にも、フラフラしていたら、「moda」が出来ていた。アメリカに行っている間に出来たらしいアメリカの生地屋である。NYの日暮里的な街に行ったのに、そのうち、なんて考えているうちに、結局、どこのお店にも入れなかった。戻ってからアメリカの生地屋に行くことになるなんて。

 

ここは、一般的なアメリカンキルトよりも少し柔らかくしなやかで、服に向いた質感の生地が多い。

リバティーのタナーローンよりも扱いやすい生地だと思う。

 

使いやすそうなストライプの生地と、レトロなチェックと花柄の生地を買った。

 

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写真ではグレーっぽいが、実物は柔らかい表情のグレイッシュなダークブラウンで

ヴィンテージショップで買ったハギレのようなナチュラルな表情である。

 

ストライプはシャンブレー調で、優しく、こちらもレトロな雰囲気のストライプだ。

 

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おまけで、孝富の上の方のフロアで、ヒグチユウコさんのイラストの

ガーゼ生地が売っていた。

いつか娘たちの部屋が出来た時に、頑張ってベビーピンクに塗ったIKEAのベッドに

合わせて、ベッド周りのグッズが作れたらいいなと思う。

はじめに

小さい頃からなるつもりでいたファッションデザイナーになって10年ちょっと。

子育てをしながらのデザイナー業に限界を感じていた頃、夫の海外転勤が決まった。

モラトリアムともいえる海外生活から戻ってはや2ヶ月。

結局またデザイナーをやろうとしている。

 

業界に将来性はほとんど感じられない。

 

高級なブランドからチープな量産品までなんでもやって来て、

ある意味現実を知っているだけに、これを作れば売れるだろうという物もない。

 

でも、私が欲しいけど世の中にないものはいっぱいある。

なので、そろそろ何か作って世の中に発信してみようと言う気になっている。